2010年の春にバイクを買いました。車種はホンダのスーパーカブ。私の住んでいる地域では漁師や農家のオジサンが仕事で漁港や畑に出かける時に使ったり、新聞や郵便局の配達員さんや銀行や農協の営業さんなどが業務で使う、いわゆる実用車です。基本的にはカッコつけるような飾りはなく、色も軍用車にも見えるような緑色のものが主流。デザイン的にもイケテルスクーターが多く発売されている中で、プライベートで乗るために選ぶようなバイクではありません。多くの人から、なぜカブなのか?
とよく聞かれます。
確かに「水曜どうでしょう」の影響もあります。東日本、西日本は録画して何度も見たし、ベトナム縦断はDVDを買ったほどで、私の憧れでした。しかし、一番の理由は別にありました。それはホンダが世界に誇るスーパーカブの、スーパーな耐久性でした。以前から町乗りに使えるバイクがほしいと思っていたところ、私の育った町がとなりの市と合併するという話が決定しました。そこで、ふと私が考えたのは、
「合併前に現在の町でバイクを登録すれば、それを廃車にせず他市へ転居しない限り、ずっと今のナンバーをつけられる。」
ということでした。(逆に合併後だと新市のナンバーをつけなければなりません。)
幼少のころからの様々な想いが詰まったHometownのナンバーをバイクにつけ、できることなら生涯このナンバーで乗り続けたいと考え、そのために寿命は半永久的、とも言われるカブに決めたのです。思えば私が学生の頃、当時のスクーターブーム全盛の中で、仲間の中にただ一人、カブに乗っている友人がいました。実家にあったものを持ってきたようですが、「創り上げられた」デザインのスクーターが全盛の大学周辺で、その質実剛健で無駄のないカブのスタイルは逆に新鮮で、オシャレな彼によく似合っていました。「実用」を極めると、そのスタイルは逆にスタイリッシュなものになっていくのかもしれません。
彼のようにオシャレにスタイリッシュに、というわけにはいかないと思いますが、細く、長く、このカブに乗り続けようと思います・・・。
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