美濃 岩村城址

 毎年恒例になった、同級生との「ホンダ原2ツーリング」。これまでに三河、伊勢・志摩、信濃と周辺他国へのツーリングを試みてきました。さて、2013年の行き先はいずこ、ということになりましたが、1年かけて検討した結果、現在は恵那市に合併した岐阜県の旧・岩村町。そこにある岩村城址を目指すことにしました。昨年の信濃同様、奥三河の山道を経ての「異国攻め」ということで、いかにワインディングロードを安全に走りきるかが課題です。急ぎすぎないよう、無理なく、楽しく。ただ、やはり山道。途中で天候の急変に見舞われるなど、いろいろ大変でもあった美濃突撃ツーリングでした・・・。

実施日時:2013年8月26日
行き先:岐阜県恵那市岩村町
 今年もわが家の近所の特別史跡に、ピンクと黄色の、今はなき町のナンバープレートを着けた原付2種3台があつまりました。毎年恒例、夏の原2ツーリングの幕開けです。昨年に引き続き、今年も北を目指します。今年の目的地は東濃岩村城址。四つ輪ではスキーの行き帰りに通るだけの、ただの通過点ですが、さすがにバイクで行くとなると、多少の不安が心をよぎります。でも、3人で行く、というのが心強さを高めてくれます。安全運転で、再びここに無事戻ってくることを心に誓い、出発です。
 昨年同様、奥三河を抜けて北へ向かいます。奥三河の入り口、新城の鳳来にある道の駅・三河三石でブレークです。
 鳳来寺山の麓をかすめ、県道37号で海老を抜けて国道257号に合流します。設楽の町を過ぎると、標高が上がってきたためか、だんだん寒くなってきました。道端にバイクを止め、持ってきた長袖Tシャツを、シャツの下に着込みます。これで少し寒さは解消。安心してバイクを先に進めることができました。やっぱり、長袖を持ってきてよかった!!
 設楽警察署前の右カーブを過ぎ、設楽町役場を過ぎると、スキーに行く時にもおなじみの、設楽ワインディング地帯に入ります。このR、曲がりきれるかな、とドキドキしながらバイクを倒し、道路が斜めに流れていくのを次々とクリアして平坦な地帯に出ると、休憩場所であるアグリステーションなぐらが近づいたしるし。毎年この時期に来るとやっている、かかしコンテスト。この時間でよかった・・・だって・・・夜中に来てあんなものを見た日には・・・。
 257をさらに進み、稲武の町を抜けると、国境が近づいてきます。川にかかる少し大きな橋を越えると、三河から美濃に入ります。橋の向こうには国境の標識。美濃に足を踏み入れたという証拠に、後ろから来る車を気にしながらバイクを停めてパチリです。ついに・・・美濃まで来てしまったんだなぁ。
 国境を越えてしばらく走ると、左手に山小屋風の喫茶店が見えてきます。ここがベンリィのToYoPaPaさん推薦「たまごや喫茶・らんらん」。モーニングをいただくために立ち寄りました。
 たまご専門店らしく、看板には「玉かけご飯」やオムライスの文字が。それらにも心ひかれましたが、ここは朝ごはんということで、シンプルにモーニングをいただきました。厚切りのほくほくトーストにあったかい(8月だというのに、やはりこの時オーダーしたのはホットでした。)コーヒー、そして食べ放題のゆで卵!!! 殻がむきにくいのは、たまごが新しい証拠。おいしくいただきました。
 腹ごしらえが済んだところでさらに北を目指します。そして峠のトンネルを越えたところで国道から外れ、山道へ。車で対向車が来たらすれ違えないような細く急な昔ながらの道のような山道を上がっていくと立派な石垣がそびえ立つ広場のような所に出ました。この山中にこれだけの石垣・・・、まさに中世の山城という感じです。ここから天守跡へはバイクを降りて歩きます。
 画像は六段壁の異名をもつ本丸虎口の石垣です。マチュピチュのような立派な石垣を見ていると、ここに城があった時代にタイムトリップしたかのような気分になります。ここは東濃と三河・遠江を結ぶ交通の要衝でもあり、この城はそこを守る大切な城だったようです。何でも、本能寺の変の数日前、織田信長がこの城を訪ね、泊まっていったようです・・・。
 城の見学を終え、岩村の町に入ります。この古い街並みとスーパーカブ、よく似合うんだな・・・。わが家のまわりも早くこうなってくれれば、家にカブを置く甲斐があるのですが・・・。
 しばらくまち歩きです。バイクは岩村の旧・役場跡に停め、徒歩で街を歩き、古い昔の街並みを楽しみます。
 「かんから餅」という看板を掲げた甘味処の前に来ました。ちょっと一見さんには入りづらそうな店構えですが、モンキーの「和尚さん」が以前にこの店に来たことがあり、知っているようだったので、意を決して入ってみました。
 中はまさに昔の民家という感じ。座敷に上がって左のお餅をいただきました。きなこ、あんころ餅、そしてごま餅。どれもおいしかったですが、私が気に入ったのはごま餅。黒ゴマをすった粉をまぶしたお餅はごまの香ばしい香りが漂い、口の中に広がり、とてもおいしかったです。
 さらに街をぶらぶらする中で、マスコミでも評判のカステラ屋を見つけました。カステラと言えば長崎なのでしょうが、長崎よりも質素で、あっさりした風味に仕上げていました。
 昭和63年に、古代からの農村地帯のイメージを残す景観としては日本一であろうということで京都大学の先生から「農村景観日本一」とされた岩村の風景です。展望台からの風景ですが・・・運動不足の私には階段がキツかった・・・。ほのぼのとした風景が広がっていて、確かに古き良き時代の農村の景観ですが、さすがに洋風の家も見えるし、電柱も見えるし、古代からの、というのはちょっと大げさかな。
 明智鉄道の終着駅、明智駅です。この手の3セク化された路線にありがちな、古さと新しさが混在したどこか今風、どこかレトロみたいな造りになっていました。「日本大正村」の玄関口にもなっています。
 山道を走り、くしはら温泉「ささゆりの湯」に到着です。標高464mの山頂にあり、本来なら素晴らしい景色が広がるはずなのですが、雨雲と思われる怪しい色の雲と、もやが辺りを包んでいました。お湯はアルカリ性の単純温泉。ヌルヌル系の透明なお湯です。大浴場のほかに露天ぶろやジェットバス、サウナなども完備しています。
 雨の気配に、少し慌ただしくささゆりの湯を後にします。しかし残念ながら雨雲につかまってしまいました。途中の郵便局の軒先に緊急避難。大粒の雨を恨めしく眺めながら様子を見ました。
 雨の切れ間を見て出発です。その後はどしゃ降りになることはありませんでしたが、時々細かい粒の雨に包まれながら、奥三河の山中を走ります。帰りは走りを楽しむ余裕はあまりなく、ひたすら南へ走らせる、という感じでしたが、それでも作手の道の駅では名物になっている皮パリパリでジューシーなフランクフルトをいただきました。美味!!
 何とか、無事に帰宅。帰り着くと同時に雨がひどくなるというラッキーなタイミングでした。それでも体は冷え切っています。さっそく着替え、このツーリング恒例の地元の銭湯(スーパーではない)を目指します。
 少し集めの湯につかり、ゆったりと体を温め、元気を取り戻したところでこれまた恒例の次に向かいます。
 原2ツーリングの〆は、恒例の「しらはま食堂」でロースとホルモン焼きをいただきながらの生ビールです。ロースは旨みのある油加減が、ホルモンはこりこり加減がたまりません。ビールで一気に流し込みながら、道中のあんなこと、こんなことを思い出しながら、「反省会」です。こうして毎年楽しく走り、飲み、食べられる健康に感謝。来年は遷宮後のお伊勢様に2度目のチャレンジ。それまで健康に生活し、来年もこうして美味しくビールをいただきたいものです。