本宮山スカイラインと砥鹿神社

 2013年夏、毎年夏恒例の同級生とのツーリングが近づいてきたということで、足慣らしにカブで出かけてみることにしました。遠すぎず、近すぎず、ということで選んだ行き先は本宮山。そして今まで一度も参拝したことがなかった三河国一宮である砥鹿(とが)神社の里宮と奥宮の両方に参拝してみることにしました。ここ最近、長距離を乗っていなかったので、緊張したり疲れたりしましたが、楽しく行ってくることができました。また、カーブで倒し込む感覚など、ツーリングに向けての足慣らしとしてもよかったと思います。

実施日時:2013年8月10日
行き先:愛知県豊川市一宮町、豊川市上長山町
夏のツーリングに向けての足慣らしのため、三河国に向かいました。行き先は本宮山山頂ですが、一宮である砥鹿(とが)神社にも参拝したいと思っていました。奥宮は今回の目的地、本宮山山頂にありますが、里宮は豊川市に合併した一宮町にあります。そこで、国道1号線を走り、豊川インター方面を目指すことにしました。豊橋市街を抜け、市役所や吉田城の脇を抜けて豊川を越えたところで県道400号方向へ右折することになります。大きな青看がついた歩道橋付きの交差点です。
 県道400号を走り豊川市に入ったところで、国道151号伊那街道を豊川インター方向へ曲がります。豊川インターを過ぎると片側2車線だった道が1車線になります。このあたりから旧一宮町になりますが、やがて右手に立派な鳥居とその奥に木立が見えてきます。ここが砥鹿神社。「砥鹿神社」交差点を右折し、正面の門を目指します。
 バイクを置き、境内に入ります。立派な社です。三河国一宮でここは里宮になります。大己貴命(おおなむちのみこと)、いわゆる大国主命(おおくにぬしのみこと)を御祭神とし、本宮山を神体山としています。古代は奥宮のみ存在したが、文武天皇の時代(大宝年間)に、この里宮を建立したと言われています。
 参拝後、ここで終わってしまうのではなく、奥宮の方にも参拝すべく、カブを走らせました。奥宮は神体山でもある本宮山の山頂すぐそばにあります。本宮山と言えば、我々静岡県最西端に住む者にとっては、かつて静岡県にUHF局がなかった頃、名古屋方面のテレビ放送を受信するために、UHFのアンテナを向けていた、オールド世代にとっては懐かしい山でもあります。道中の伊那街道からは、これから目標としている山頂の鉄塔を臨むことができました。
 角にセブンイレブンがある国道301号との交差点を山方向に曲がります。山々を背景とした青看には豊田56km、設楽49kmの表示が出ています。ここから山登りが始まっていきます。
 山登りに入ってすぐ。さっそくワインディングロードが我々を迎えます。そんな中で、頭上には建設中の新東名。もうこんなにできたのか、とも思いますが、静岡県内は既に開通済み。一体どれだけ遅れているのでしょう。そして開通はいつになるのでしょうか・・・。
 301を登っていったところにある、本宮山スカイラインとの分岐点です。ここを左折し、本宮山スカイラインに入ります。
 かつての有料道路、どれだけ快適にワインディングを楽しめるか・・・と思いきや、実は道は意外と細くて貧弱。日本平パークウェイの比ではありません。これではセンターオーバーなくして飛ばしようがありません。(そんなことした日には、待っているのは対向車との正面衝突・・・ガクガクブルブル・・・。)ただ、Rの大きさを読んで、アクセルの開き具合を考えたり、体を倒し込んだり、という二輪ならではの感覚を楽しんで走ることはできました。
 本宮山頂に到着です。時代は地デジになったとはいえ、愛知県東部、そしてわが家にも名古屋方面からの電波を届けてくれる、アンテナ群です。まわりの豊かな緑一色の自然の中に、これだけの近代的なアンテナ群がひしめいていると、何だかエヴァンゲリオンっぽいっていうか、SFチックな感じがしてちょっと圧倒されます。
 アンテナとは反対方向に進むと、砥鹿神社奥宮の鳥居が見えてきます。まず、大きな赤鳥居が、そしてその先にこの歴史を感じさせる石造りの鳥居が現れます。ここからは木立の中の参道を一歩一歩登っていきます。この鳥居から3分ほどでしょうか、社に到達します。途中には麓の町が木々の間から見えるところや、天気のいい日にはここから富士山が見えます(この日は見えず)というところもありました。
 今でこそスカイラインが開通していて、麓から車で楽々登れます。資材の輸送もトラックで簡単にできるでしょう。しかし、古代の技術がなかった時代、どうやってここにこれだけの資材を運び、社を築いたのかと、人間の信仰への情熱を感じることができます。大きな休憩所もありますし、こんな山の上なのに、社務所には神社の人が常駐しています。大晦日の深夜とか、賑やかなんだろうな、と思いました。
 参拝後、お宮を後にし、こちらも徒歩で逆方向へ。アンテナ群の足元にある山頂を目指しました。789.2mの頂上です。木々とアンテナ群に阻まれて、ここからは麓を見渡すことはあまりできませんでした。
 山頂には石が積み上げられていました。何でも、昔話によると、かつてこの本宮山と石巻山は高さ競争をしていて、本宮山に登る時、山の高さを高めるために、山頂に積む石を持って登ると、神様が足取りが楽になるようにしてくれるという言い伝えがあるとのこと。なるほどねぇ・・・。
 奥宮に参拝し、山頂にも登った後、バイクで下山。麓にある日帰り温泉「本宮の湯」に立ち寄りました。露天風呂から見る豊川・豊橋方面の夜景は再興らしいのですが、私が訪れたのは日中。でもバイクで腰に来ていた疲れを癒すことができました。
 特にいいな、と思ったのは木霊(こだま)の湯。画像にある茶色のタワー状の建物の中に「寝湯」があって、内側からこのタワーの天井を見上げながら、小鳥のさえずり音と薄暗い灯りに包まれ、のんびりすることができました。