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浜松駅前バスターミナルに京王バスが入線します。(でも考えてみると、浜松って政令指定都市なのに都市間高速バスが本当に少ない。)これから新宿での乗り換え待ち合わせも含めて13時間近いバスの旅が始まります。まさに「どうでしょう」サイコロの旅のごとく、試練の時が始まります。週末の夕方、結構大勢の人が乗車しました。 |
約4時間の乗車を経て新宿西口に到着です。バスで西口に降り立ったことがないので、何か新鮮な気持ちです。しかしここは終点ではありません。「たどり着いたら」まだそこはあくまでも次のバスへの乗り換え地点に過ぎません。「そこがスタート」なのです。2時間近い待ち合わせをいかに過ごすべきか迷いましたが、次のバスの乗り場を確認した後、食事もしたかったので、入りやすそうなチェーンのラーメン屋に入り、餃子やそらまめをつまみにしながらビールを飲んで(寝酒?
)過ごしました。 |
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軽く酔いが回り始める頃、いい時間になりました。新宿駅新南口バスターミナルはバスターミナルと呼ぶにはあまりにお粗末。新南口改札口の階下、鉄道のガード下の駐車場にちょっと発券カウンターを付けただけという感じのつくり。。狭い中に大勢のバスを待つ客がうろうろ。待合室はエアコンも効いておらず、大都会東京の高速バスターミナルとしては、ちょっと貧弱さを感じました。とはいえ。23時半ごろ、バスは出発。池袋方面から首都高速に上がり、東北道へ向かいます。 |
5時間半近い往路、眠りにつくことはできましたが、今回は眠りが浅く、何度も目を覚ましました。ぐっすりできなかった原因はシートにあるかな、と思いました。正確に測ったわけではありませんが、今まで乗ってきた夜行バスに比べるとシートピッチが狭い感じがしました(飛行機のエコノミー並み?
)。また、リクライニングの倒れる角度も浅く、「えっ? これしか倒れないの? 」という感じでした。さらに、足を置くフットレストはありましたが、ふくらはぎを乗せるレッグレスト(?)はありませんでした。今までに乗った中で一番乗り心地の悪いバスだったと思います。それでも気がつくと、明るくなり始めた中、車のほとんど走っていない(!)山形道を西に向かっていました。ほどなく山形蔵王インターへ。高速を降り山形駅へ向かいましたが・・・車が少ない、人が少ない・・・東北の地方都市とはこのようなものかと感じました。駅前も早朝とはいえ、あまりに閑散としていました。 |
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とはいえ、松永直子ゆかりの地に到着です。3連休に彼女も帰省したようで、山形駅構内のこの画像、彼女のブログにも同じものが掲載されていました。(もっとも彼女は全て新幹線で山形入りした様子です。リッチだ・・・。) |
山形駅で仙山線の発車時刻を確認しました。ほどなく仙台行きの快速電車が出る様子。すぐに切符を買い、乗り込みました。今回の遠征の目的の一つ、宝珠山立石寺(通称「山寺」)に向かいます。 |
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立石寺の最寄り駅は、その名も「山寺駅」。お寺の門前の雰囲気たっぷりの駅舎で、東北の駅百選にも選ばれています。映画「おもひでぽろぽろ」にも少し登場するようです。また、昔使用されていた転車台も保存されているようです。撮影しておけばよかった・・・。
この時点で午前6時。駅のまわりは人がまばらどころか、ほとんどだれもいません。本当に静かです。駅のまわりもレトロな雰囲気。別世界に来たような感じです。 |
小雨がぱらつく中、川を渡り、「登山口」に到着しました。
山寺とも呼ばれる宝珠山立石寺は、貞観2年(860年)、慈覚大師円仁によって開山された霊場とのこと。登山口から初めの石段を昇ると、そこには本堂でもある根本中堂がありました。本山である比叡山より移し灯した「不滅の法灯」が灯し続けられていて、この法灯は織田信長による延暦寺焼き討ち後の再建の際には、逆にこちらから分灯したとのことです。
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芭蕉ゆかりの寺としても有名で、ここを訪れたことが「奥の細道」にも記されています。「閑さや巖にしみ入る蝉の声」の句はあまりにも有名で、参道の途中には芭蕉の銅像や句碑でもある「せみ塚」が残されていました。でも・・・雨模様のためか、ほとんどせみの声はなし。しんとして本当に静かでした。
画像は仁王門。左右に安置されている仁王尊・十王尊の象は運慶の弟子たちの作とも伝えられているそうです。 |
五大堂は慈覚大師が五大明王を安置し、仏法の隆盛と天下太平を祈った道場で、山寺唯一の舞台式のお堂です。先ほど降り立った山寺駅はもちろん、遠くの山並みまで見渡すことができ、広がるその景色に時間を忘れ、心が癒されます。 |
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険しい岩の上に建つ納経堂です。となりの建物は開山堂で慈覚大師の廟所とも言われているようです。初めは山形に行きたいという気持ちはそれほどでもなかった私でした。しかしインターネットでここの画像を目にした時、「ぜひ実際に自分の目で見てみたい」という思いがわき起こってきました。だって、こんな景色、あり得ます?
日本の景色というよりも、中国の水墨画を見ているような気がしてきませんか。 |