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ドイツブンデスリーガ観戦ルポ2(フランクフルト編)
ドイツブンデスリーガ観戦ルポ その2
2006年2月19日(日:曇り)17:30〜 アイントラハト・フランクフルト対ハンブルガーSV戦     @ フランクフルト:ヴァルト・シュタディオン
 ボルシア・ドルトムント対ヴェルダー・ブレーメンの1戦を見た次の日に,フランクフルトまで行って,ブンデスリーガのもう1試合を見てきました。ブンデスリーガはJリーグと同様,日曜に2試合開催されます(多分Jが取り入れたのだと思いますが)。その1試合の様子を伝えたいと思います。
 自分がスタジアムに着いた時は,もう選手紹介が始まっていました。ハンブルガーSVの試合なので,高原は出ているのかと思いながら,席に着きました。コンフェデ杯でもおなじみのオーロラビジョンに・・・ありました,高原は先発出場です。ドイツにいながら日本人選手を応援できるのは初めてのことなのでひと味違う感動を得られました。  
しかし,自分の座った席はホームのゴール側・・・そうです,まわりはフランクフルトのサポーターばかりで,赤いマフラーや旗が飛び交う中での観戦です。おおっぴらに高原と声を出すわけにもいかず,心の中での応援になってしまいました
 アイントラハト・フランクフルトは,今シーズン2部から昇格し,なかなか健闘しているチームです。多分目標は1部残留だと思われます。一方のハンブルガーSVは(HSV:ハーエスファーの愛称で親しまれている),大分前にチャンピオンズカップ(当時)を制したいわば古豪チームですが,今年はリーグ戦で2位につけ,来年のチャンピオンズリーグ出場がほぼ確実になっているチームです。チームの好位置をキープしている立役者のファン・デルファールト(オランダ代表)が,出場していなかったのは残念でしたが,バルバレス(ボスニア・ヘルツェゴビナ代表)やマハダビギア(イラン代表)などが主力として活躍しています。
 キックオフ前の場面です。高原です。今日こそゴールを決めて高原ありというところを見せてくれと思いつつ,試合観戦に臨みます。
試合は,HSVのペースで進み,サイドを生かした攻撃にたびたびフランクフルトのゴールを脅かす場面が見られました。高原も積極的に動きチャンスメイクをしようとしたり,ゴール前に飛び出したりするのですが,どうも味方との連携が合いません。
 前半30分過ぎだったと思いますが,HSVが先制しました。サイドに守備が集中し,真ん中が手薄だった相手チームにバルバレスが強引に中央突破して決めた得点でした。相手選手と絡みながらも思い切りよくシュートを撃つ大胆さと,機を見てスルスルッと前に出る状況判断の高さがうかがえました。
みんな,バルバレスを祝福しようと行くのですが,高原は別方向に走り出してしまいました(写真)。ボールを取りに行くのでなく,次のキックオフに備えるわけでもなく・・・何となくですがFW同士の微妙な関係というかチーム内での位置をかいま見た思いがしました。厳しいけども,やはり結果を出すしかありません。前半は1対0でHSVのリードで終えました。

 後半が始まりました。高原は前半同様にいい動きでゴールに迫り,コンディションの良さをうかがわせました。しかし,ゴール前にいても2002年度のJリーグで感じさせた凄みというものが感じられません。以前はFWというかストライカーの持つ風格というかオーラがあったはずなのに・・・,迫力はあるけど相手に与える恐怖感というか怖さがないとでもいうのでしょうか。それがないのはとても残念で寂しく思いました。
 セットプレーなどでいいポジションにいても味方からのボールが合うことがないため,自分で相手守備を突破してシュートを撃つしかない印象を受けました。
 試合は,後半にフランクフルトが1点を返し,同点になりました。高原のシュートは1本だけに終わり(ペナルティエリア辺りから放ったシュートだったけど,相手GKにキャッチされる),70分過ぎに交代となりました(写真はピッチ外の白いユニの選手が高原)。
高原のプレーにたびたびフランクフルトのサポーターがブーイングをかましてくれたのが唯一の救いでした(自分を見てブーイングするのには参りましたが・・・)。
 試合は,その後HSVが1点追加し,2対1でHSVの勝利で終わりました。フランクフルトは後半,チャ・ドゥリ(韓国代表FW)を入れて,パワープレーで同点に追いつこうとしたのですが,危なげなくHSVがかわした印象をもちました。
言葉でうまく表せないのが申し訳ないのですが,同じ力量を持っているFWなら,チームの中でのポジションをいかに確立するか,そしてそのためのチャンスをいかにものにするかでFWの力量が決められるのではないかと思います(もっともこれは,私たちの社会の中でも同様だと思いますが)。監督に信頼されている間に結果を出してほしいと切に願いながらスタジアムを後にします。
 ブンデスリーガ観戦ルポと言いながら,高原の話題ばかりになってしまったことと,下手くそなFW論に終始してしまったことにお詫び申し上げます。最後までお付き合い下さいましてありがとうございました。
 番外編(ハーフタイムのイベント)

この試合で行われたハーフタイムのイベントは,テレビ番組の「筋肉番付」でもあったFK版「ストラックアウト」です。何人かの人がチャレンジしていましたが,誰も当たりませんでした。それでも,サポーターが参加する形のイベントがあると,また違った楽しみ方ができるのではないかと思いました。
憧れの選手の立つピッチに自分も立つことができるという思いが持てるだけでも有意義なことだと感じました。日本のクラブの皆さんもあれこれ考えていることと思いますが,是非取り入れてほしいものです。

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「スタジアムアラカルト(フランクフルト編)」に続く