香川県立丸亀競技場 Part 3

 第85回天皇杯全日本サッカー選手権準々決勝。2年続けて磐田は丸亀で戦うこととなりました。リーグ戦では6位という結果に低迷した磐田。「光り輝くジュビロの復活」にはほど遠く、上昇に向けての希望すら見いだせない、そんな虚しいシーズンでしたが、最後に世界につながるタイトル天皇杯をとってくれれば少しは希望がもてるというものです。しかも相手はダービーを争う清水エスパルス。ということで、今年も「年末恒例四国遠征」を敢行いたしました。
 丸亀競技場は既にこれで3回目。ある意味「慣れた」ものでもあります。しかし・・・往復ともバスにすると、近頃痛む腰に与える影響が大きいのではないかということや(ジジくさい!)、試合後、松山に移動して道後温泉に寄るにあたって(必須)、時間に余裕をもって風呂につかりたい、ということから、帰りの足は松山から大阪までフェリー(使い慣れた関西汽船)を利用することにし、今までとは少しちがう形となりました。出発前々日、東海地方から中国四国地方にかけて12月としては歴史的な大雪に見舞われる中、出発自体が危ぶまれるということも。なかなかスリリングなツアーでもありました。

旅行日 2005年12月23日夜〜2005年12月25日昼(0泊3日車中1泊船中1泊)
観戦スタジアム 香川県立丸亀競技場
観戦試合 第84回天皇杯全日本サッカー選手権大会準々決勝 ジュビロ磐田vs清水エスパルス
利用交通機関 名鉄名古屋までJR東海道本線・名鉄名古屋本線。名鉄バスセンターからJR丸亀駅まで四国高速バス「さぬきエクスプレス」。丸亀駅から徒歩で市内散策をしつつ、丸亀競技場入り。
丸亀競技場から高速善通寺バス停まで徒歩で移動。善通寺バス停から松山市駅まで四国高速バス「坊ちゃんエクスプレス」。松山市駅から伊予鉄道路面電車にて道後温泉まで往復。その後、伊予鉄道高浜線にて松山市駅から松山観光港駅へ。松山観光港から大阪南港まで関西汽船さんふらわあこがね。ニュートラムでフェリーターミナル駅から住之江公園駅へ。住之江公園駅から大阪市営地下鉄四つ橋線にて難波へ。近鉄難波から近鉄名古屋まで近鉄特急アーバンライナー号。名古屋からJR東海道本線。
今年も0泊3日の過酷な旅のスタートです。まずは名鉄特急で名古屋を目指します。JRでもよかったのでしょうが、名古屋到着後の名鉄バスセンターへの移動を考えると名鉄の方が近いだろうということでこちらを選択しました。
名鉄バスセンターから高松・丸亀行きの四国高速バス「さぬきエクスプレス」が発着します。のりばが信州方面行きのスキーツアーの集合場所のすぐ横だったので、「えっ?そんなに混んでるの?」と最初は驚いたのですが、実際に乗車してみると全部で10人程度。ネットでは満席だったので少し拍子抜けした感じです。ちなみにこのバス、昨年の復路で私が乗ったバスと同じでした。(Part2参照)
バスでの道中は雪の影響等なかったのですが、名神で事故渋滞に巻き込まれました。しかし少し目を覚ましたほかはほとんど記憶なし。気がついたら既に真っ暗な中、徳島県内を走行中でした。遅れるどころか定刻よりも早く丸亀駅前に到着。あまりに朝早く、開いている店もすることもなく、あてもなく市内をふらふら。そして今回も来ちゃいました。丸亀城址です。今回は丸亀駅側から入りました。かなりしっかりとした門が現在も保存されています。
「感じる人」は感じるものがあるとかいう噂のある「見返り坂」という急坂を上り、天守閣のところに出ました。第1回の訪問の時と同じ風景が広がり、懐かしいかぎり。北側からは瀬戸内海と瀬戸大橋、南西からは丸亀高校と遠くに競技場。そして南東からはこのとおり讃岐富士。その後ろに広がる険しい四国山地の間から太陽が顔をのぞかせました。山から昇る日の出、讃岐地方ならではです。日の出に磐田の勝利を願い、拝んだのですが・・・。
丸亀城からそのまま競技場に向かえば全体の距離の2/3ぐらい歩くだけなのですが、相変わらずまだ朝が早く、城周辺のうどん店がまだ開いておらず、駅のすぐ北に9時に開店するうどん店があるということで駅に戻りました。駅には昨年同様丸亀名産のうちわで飾られたクリスマスツリーが。と、よく見るとその中に何と、ジュビロ磐田の扇子が!?ここへ来た磐田サポが置いた?いや・・・あまりにもフィットしているところから見て、このツリーを設置した人が最初から置いた可能性が高そうです。
駅の北にある「わだち」といううどん店です。午前9時から開店するということで、朝食代わりに飛び込みました。おなかが空いていたということで、肉うどん(おすすめらしい)にかき揚げとゆで卵の天ぷら(!)を注文しました。
駅前という立地のよさもありますが、薄い色の中に香るいりこの風味、そして甘辛い感じのくせになりそうなつゆがたまりません。うどんもツルツルとしていて美味でした。
何軒うどん店をハシゴできるかというのが今回のツアーの楽しみの一つでしたが、徒歩で、しかも競技場に向かいながらということで当然エリアは限られます。しかもキックオフが13時という時間の制約もあり、上述した「わだち」のほかに「讃岐製麺所」とここ「麺や」、そして競技場のすぐ横の「亀山」という3店を選びました。讃岐製麺所は結局見つけられず、続いて麺やへ。こちらは朝6時半から営業しているということで人気のようです。
後でわかったことですが、丸亀駅のすぐ前にレンタサイクルがあったとのこと。これを使えばさらに足を伸ばしていろんな店が試せたかもしれません。
麺やの「温ぶっかけ」。こちらのお店は「しょうゆうどん」が人気らしいですが、壁に張ってあった「温ぶっかけ」というのを見たら、気持ちが動いてしまい、そちらを頼むことにしました。先ほどの店で天ぷらをたくさん食べ、ちょっとおなかに貯まっていたので、ここではうどんだけにしました。でも、セルフ店ということで天かすとネギをしこたま入れたら麺が見えなくなってしまい、写真で麺を紹介できず残念。こちらも薄い色の中にちょっと甘みが感じられる味わい。麺はツヤがあり歯ごたえも楽しめました。
ちなみに、もう1店予定していた競技場そばの「亀山」は試合後に寄ろうと思っていたところ、本日の予定数を終了したのか既に暖簾がしまわれている様子。残念でした。
競技場に入りました。毎回感じますが、傾斜もあり、屋根もあって見やすく雨にも安心なJのホームにしないにはもったいないスタジアムです。心配した雪はぱらつく程度でしたが、風が強かったです。でも、メインスタンドは壁などのおかげで何とか大丈夫でした。
ゴール裏は芝生席ということで、足場が不安定だったのでしょうか、磐田サポはこちらのバックスタンドの自由エリアから声援を送っていました。海を越えて渡ってきた多くのサポの声も虚しく・・・「ある選手」の集中力を切らしたプレーが原因で後半ロスタイムに失点・・・無念でした。
ま、今季の磐田の出来を見れば、ベスト8は妥当な成績なのでしょうが・・・当然勝って温泉に向かうのと、敗れて温泉に向かうのでは全然違います。足取り重く善通寺のバス停へ。バスが遅れている間、居合わせた松山市在住の磐田サポという方と少し話をしたのですが、その方も「名古屋行きの高速バスをキャンセルしなきゃ」(ってことは、準決勝でエコパに来るつもりだったんでしょう。)と残念がっていました。
バスに揺られること約2時間、松山市駅でバスを降り、路面電車で道後を目指します。後にWOWOWで放映していたのを見て改めて確認したのですが、映画「世界の中心で愛をさけぶ」の劇中で森山未來君と長澤まさみチャンが乗っていたのは松山市内のこの路面電車で、県庁前の電停や愛媛県庁がロケ地だったんですねぇ・・・。いつか改めて道後温泉&ロケ地めぐり&うどん店めぐり、なんてのもありかな、(退職したら88箇所めぐりというのもあり?)と一人で勝手に思いました。
市電を終点で降り、行き慣れた道後温泉本館を目指します。夜の本館もまた趣があります。変わらず神の湯階下は300円。300円の風呂に入るために善通寺から3300円払ってきたのですが、払ったかいがあったと思えるぐらいのお風呂です。和風の温泉で湯につかって過ごすクリスマスイブ、ってのも悪くないです。変わらずシャンプーと石けんは自分で持ち込む必要はありますが中は清潔。フニャフニャになるまで楽しみました。時間に余裕さえあればすぐ隣の地ビール店でいっぱいやりたかったぐらいです。いつかまた・・・。
松山市駅から伊予鉄道の高浜線にて松山観光港へ向かいます。田舎の私鉄という感じですが、どこかで見たような気はなぜだろうか・・・帰ってきてから調べてわかりました。ドラマ「東京ラブストーリー」と、同じくドラマ「がんばっていきまっしょい」(共にCX)に登場しています。前者は鈴木保奈美が最終回ぐらいでしたか、織田裕二の故郷である愛媛を訪ねた際、織田裕二が海岸沿いのホームの柵に結びつけられたハンカチを見つけるという場面(だったような)。このロケ地が途中の梅津寺駅のホームとのこと。そして後者は我々も下車した終点の高浜駅で、主人公の鈴木杏たちが電車を降りるシーンとして登場していたようです。行く前にわかっていれば・・・。(何をしたのだ?)
伊予鉄道の高浜線はフェリーターミナルに直結はしていませんが、終点の高浜駅からターミナルまで連絡バスが出ています。バスで3分ぐらいでターミナル着。乗船手続きをして、乗り場へ向かいます。別府から来た「さんふらわあこがね」に乗り込みます。
「さんふらわあこがね」は昨シーズン大分遠征の往路に使用した「にしき」と同型船ということで、船内の紹介はそちらを見ていただければと思います。うれしかったのは、レストランの営業は終了していたのですが、バイキングで残ったものを折にしたのでしょうか、おつまみとおでん、そして生ビールの販売を行っていました。乗船前に食料を調達してこなかったので大変助かりました。窓から港の夜景を見てビールをのどに流し込みながら、改めて今日の磐田の戦いぶりとシーズンを振り返りました。勝っていればこれも祝杯になったのでしょうが・・・。
朝、8時過ぎ、フェリーは南港に到着です。ニュートラム、地下鉄四つ橋線を乗り継いで難波到着。負け試合だったこともあり、疲れもちょっと感じていたので大阪に寄ることもなく、そのまま近鉄特急を押さえ、乗り込みました。愛・地球博の後の大阪遠征以来、2度目の利用ですが、JRとほぼ同じぐらいの値段で(ちょっと高いぐらい?)指定席で米原・大垣の乗り換えも心配ないということであれば、18きっぷシーズン以外はこちらもありでしょうか。