岡山県陸上競技場 桃太郎スタジアム

   「無冠に終わる磐田を見たくない。」そう感じて2003−2004シーズンの天皇杯を見始めました。いつもならモチベーションの低いプレーが目立ち、4回戦か準決あたりで姿を消す磐田ですが、このシーズンは何かちがっていました。中山はスタメンに入らず、福西も離脱、若手を多く登用する中でふだんなら「ひ弱さ」を見せそうなものですが、あのクールな名波が手を叩き、声を掛け、チームを牽引する中で、河村、成岡、太田、チャゴなどの若手が予想を超えた成長を見せ始め、チームにフィットし始めたのです。
 「今シーズン天皇杯の磐田は何かちがう。」、そしてあんな名波を見たら追わずにはいられません。ということで、当初はあきらめていた岡山遠征を決行することにしました。とはいえ、岡山は遠い。まずは旅費。新幹線など使おうものなら往復で2万5000円近くかかります。そこで「水曜どうでしょう」ばりに「夜行バスの旅」と行ければよいのですが、前日は遅くまで仕事の延長の飲み会、そして翌日は朝早くから出先に大切な書類を届ける仕事、ということで遅刻できず。そうなると夜行バスは×。しかし季節は年末、18きっぷシーズンです。で、それを使って電車で早朝出発し、日帰りをする計画を立てました。西方面は特別快速、新快速等の速い普通電車が充実しています。これを使えばキックオフに間に合うように到着できます。問題は帰り。すべて普通電車を利用すると、途中で電車がなくなってしまいます。そこで、岡山・新大阪間だけ新幹線を使うことにしました。18きっぷマニアがよく言う「ワープ」という方法です。この区間だけ新幹線を使い、家まで帰ってこられる普通電車に追いつくという計画です。これで日帰りが可能になりました。料金も往復8000円弱。不況で給料やボーナスも下がってしまった昨今ですが、知恵をこらせば安価で遠征することはできるものです。

旅行日 2003年12月23日(日帰り)
観戦スタジアム 岡山県陸上競技場 桃太郎スタジアム
観戦試合 第83回天皇杯全日本サッカー選手権 準々決勝 ジュビロ磐田vs東京ヴェルディ1969
利用交通機関 往路:
JR東海道本線・山陽本線で岡山まで。途中、豊橋、米原、姫路にて乗り換え。岡山駅から徒歩30分ぐらいでスタジアム着。
復路:
スタジアムから徒歩にて岡山駅へ。岡山からJR東海道・山陽新幹線にて新大阪まで。新大阪にて東海道本線に乗り換え。米原、大垣、豊橋にて乗り換え。
往路、復路とも「青春18きっぷ」利用のため、普通・快速電車利用だが、岡山・新大阪間のみ東海道新幹線利用。
朝焼けのプラットホーム。これから岡山に向かっての旅立ちです。旅情が高まる風景ですが、これから7時間半の長旅を考えると、不安でもあります。
豊橋で、米原行きの特別快速に乗り換えです。大垣で乗り換える必要なく米原まで行けるのでラッキーでしたが、米原行きの場合は一部車両が大垣で切り離されるので、駅の放送に注意することが必要です。
一宮を過ぎると窓の外は雪景色になりました。先日の4回戦の日、今日戦う東京Vが長良川でグランパスと戦った日に降った雪がまだ残っているのです。
米原でJR西日本の新快速に乗り換えです。毎度のことながら、この電車は速いです。複々線なのでかなりスピードを出すことができるのでしょう。
京都・大阪・神戸と関西三都をぬけると、あっという間に淡路島が見えてきます。明石海峡大橋をくぐり、昼前に姫路に到着です。
姫路から西は快速はなし。スピードも一気に遅い電車に変わります。ことことと揺られながらうとうと。そのうち、マナーの悪い親子連れが乗ってきて、うるさいな、と思い始めると、程なく電車は新幹線と並行して走るようになり、岡山駅に到着。岡山以西は快速があるようで、行き先を見ると広島行きとか、下関行きとか!!?思えば遠くに来たもんだ、とはこういうことを言うのでしょう。
岡山はちょっと思い入れがある街ですが、街を歩く時間的余裕はありませんでした。案内に従い、徒歩でスタジアムに向かいます。
桃太郎スタジアムに到着です。再来年の国体に向けての改修されたスタジアムだとのことです。双方のホームからかなり離れた中立地らしく、どちらのチームということもない、普通のグラウンドコートを着た人がほとんどでした。
当日券売り場です。各チケット会社は全席種完売だったはずなのですが、ここでは全席種、売っていました・・・。
「チケット問題」を乗り越え、チケットを確保して岡山までやってきたサポです。頭が下がります。でも、やっぱり少なかったな。(でも東京Vよりは多かった。)
桃太郎スタジアムこけら落としともなるキックオフです。磐田にとっては鬼門の準々決勝、遠方での試合のスタートです。
チケット会社は全席種完売だったはずがこの始末。いくら県のサッカー協会や岡山県内のスポーツ店でチケットを売っても磐田や東京のファンが事前に買えるわけがないのに。全国的にチケットを売りさばくノウハウをもっているチケット会社にもっと預けるべきだったのでは?いくら天皇杯は収入ばかりがすべてではなく、開催県のサッカーの普及・振興も目指しているとはいえ、行きたいファンにチケットが渡らず、ファン不在になってはいかがなものかと。
「らしくない」、ダイビングヘッドを決めた名波です。しかしその際にキーパーと接触し、しばらくピッチ外に出されます。無事で何より。彼の闘志がこの天皇杯の磐田を動かしていると言ってよいと思います。
試合に勝ち、いい気分での帰路となりました。上述したように新大阪までは「ワープ」のため、新幹線を使います。岡山駅西口の前、道路を挟んだ反対側に金券ショップがあったので自由席の特急回数券を買い、のぞみの自由席に乗車しました。ダイヤ改正以降、のぞみにも自由席ができたのですが、少ないため、早くからホームに並ぶことが必要です。でも・・・やはり新幹線は速い。往路はうとうとしながら2時間以上かかった岡山・新大阪間が、新幹線ではすぐです。この航空機のような先のとがった筒状の500系の車体に乗るのは初めて。車内も筒状になっていて、航空機のようです。
新大阪に到着後、すぐに入線してきた上りの新快速に乗り換えます。しかしすでに梅田の大阪駅あたりで乗車してきた人たちで車内はいっぱい。立っての乗車です。なかなか席は空かず、結局座れたのは終点間近の彦根あたりだったでしょうか。(それも出入り口そばの補助席。)
米原から大垣に到着後、大垣から豊橋に向かう新快速に乗り換えます。米原・大垣間というのも座れない名所ですね。全部で3両とか、少ない車両数での編成が多いので席が少なく、、特にこの18きっぷシーズンは上り新快速が米原駅に到着すると、みなさん先を争って大垣行きが停まっているホームへダッシュをかけます。そして同じことが大垣駅でも繰り返されます。そんな思いをして席争いをくぐり抜けて豊橋までたどり着いても、今度は豊橋から東へ行く電車がうまく接続していなかったりして・・・効率悪いんです、帰りは。