宮城スタジアム

  以前から、「年に一度は大遠征ができたら」、と思って、博多、丸亀と遠征に挑戦してきました。今年度も「大分戦&別府温泉」という「癒しプラン」を立案していたのですが、「日曜ナイトゲーム」というJリーグの配慮のなきスケジュールによって断念せざるを得ませんでした。では、それに代わるものを・・・ということで、「仙台戦&牛タン三昧」という遠征計画ができあがりました。ただし、仙台戦は4月29日(火・みどりの日)。1日だけの祝日での開催です。宿泊を伴う遠征はできず、強行スケジュールになりました。
 往路は昨年の丸亀遠征に続く夜行高速バス利用でなるべく安価におさえる一方で、復路は試合終了後に東北新幹線の最速超特急「はやて」と東海道新幹線の浜松停車の「ひかり」の指定席(GW中ということで混雑が予想され、絶対座って帰りたかったので)をおさえ、スピード重視で帰ってくるという、往路、復路それぞれ明白な理由をもった上で交通機関を選択しました。
 夜行高速バスは前回の丸亀遠征の際にも利用したのですが、あの時は冬ということもあり、みなさん通路にコートなどの上着を置く(落とす?)などしていたため、通路が自由に歩けず、不自由に感じましたが、今回は季節的にも、そして乗客のみなさんのマナーもよく、そのようなこともなく車内を自由に移動できました。また、トイレのすぐ横というベストポジション。でも、結局到着まで一度も利用することはありませんでした。前回の丸亀遠征同様、3列独立シートでかなりの角度までリクライニングがOK、そして足のせ台も完備で薄手の毛布も支給され、車内で眠るのに私は全く問題ありませんでした。
 名鉄バスセンターを出た後は名古屋高速経由で小牧インターへ。その後は予想に反して中央道へ!?そしてふと目が覚めた時に通っていたどこかのジャンクションに「富山」とか「直江津」といった表示があったことから想像するに、長野道から上信越道、北陸道、日本海東北道、磐越道を経由して東北道に入ったものと思われます。思えばすごい長距離を走るんだな、と感心しました。
 仙台には朝の7時過ぎの到着。1日がフルに使えるのが、やはり夜行バスのよさ。午前中はせっかくなのでちょっと足を伸ばして日本三景の一つ、松島観光を楽しみ、午後は宮城スタジアムへ。そして、昼食と夕食は「牛タン」を楽しみました。帰りはそうなるような気もしたのですが、予想通り、磐田の選手たちと浜松まで同じ列車。ただ、試合内容が試合内容だったため、無邪気に写真やサインを頼むという心境ではありませんでした。もっとも、そのスピードのおかげで23時過ぎには自宅到着、次の日の仕事に疲れを残すことなく出勤することができました。

旅行日 2003年4月28日〜2003年4月29日(車中1泊0泊2日)
観戦スタジアム 宮城スタジアム
観戦試合 ジュビロ磐田vsベガルタ仙台
利用交通機関 名鉄バスターミナルまでJR東海道本線、名鉄名古屋本線、名鉄バスターミナル4Fより、宮城交通バス「青葉号」で仙台駅まで。
松島観光:
仙台駅から本塩釜駅までJR仙石線。塩釜港から松島観光桟橋まで松島湾観光汽船。松島海岸駅から仙台駅までJR仙石線
宮城スタジアム アクセス:
仙台駅から利府駅までJR東北本線。利府駅から宮城交通シャトルバス。 仙台駅で販売のJR代、バス代込みの「仙台・利府アクセスパス」利用(950円)。
帰路は仙台駅から東京まで東北新幹線「はやて号」。東京から浜松まで東海道新幹線。残りJR東海道本線
 仙台行き夜行高速バス「青葉号」は名鉄バスセンター発着。JRよりも名鉄を利用し、新名古屋で降りた方が移動が楽です。名鉄バスセンターはメルサの3〜4階になります。夜行高速バスは4階から発車します。表示を探しながら行けば迷うことはないと思います。
 21時半の発車ですが、15分前ぐらいに入線してきます。大きな荷物をトランクに預け、飛行機のように引換証をもらい、乗車します。
 暗くて見づらいと思いますが、座席です。飲み物を置くところはもちろんフットレスト、スリッパが完備で、靴を脱いでくつろげます。ヘッドフォンがありましたが、差し込んでも聞こえませんでした。(?)動作させてないのかもしれません。
出発後、小牧インターから高速に入ったあたりの22時で消灯。カーテンは全て閉じられます。揺れや振動はほとんど気にならず、小牧東から後は記憶がありません。2時ごろだったか、どこかのジャンクションで「富山・直江津」みたいな表示を見たことだけ覚えています。
 早朝、磐越道の国見SAで1回停車、休憩を取りました。そして早朝7時に仙台駅着。朝日がまぶしいです。また、休日の早朝ということで閑散としていました。
 なお、「仙台駅」と言いながら、実際には仙台駅から少し離れた宮城交通の高速バス発着所に停車。駅はどこだ?と全く土地勘のない私は少し困りました。
 バスを降りたところから角を一つ曲がり、歩けば100mぐらいでJR仙台駅に到着。
 まずは駅の構造や、利府行きの東北本線のホームを確認。その後、午前中は松島観光と決めていたので、松島行きの船が出る本塩釜を目指し、仙石線の快速に乗りました。
 本塩釜の駅から歩いて15分ぐらい? マリンゲート塩釜から発着する観光汽船です。数社が交代で運行しているようですが、私が乗ったのは松島湾観光汽船の船でした。
 観光汽船出航です。何でもその昔、芭蕉も似たようなルートを手こぎの船で松島へ渡ったとか。
 これは波の浸食でつくられた仁王島という岩のようです。
 マリンゲート塩釜から松島海岸まで、約50分。窓の外には伊達政宗や芭蕉の時代と同じ景色が広がります。
 松島に到着です。船の上からも大勢の人が見物しているのが見えた五大堂に行ってみました。807年、坂上田村麻呂の創建と伝えられているとのこと。後に慈覚大師が五大明王を安置したことから五大堂と呼ばれるようになったそうです。現在の建物は伊達政宗が再建したもので、東北地方最古の桃山建築だそうです。
「十一日、瑞巌寺に詣。
 ・・・雲居禅師の徳化によりて、七堂甍改まりて、
 金壁荘厳光を輝、仏土成就の大伽藍とはなれりける。」

 「奥の細道」の一節です。芭蕉も参詣し、心打たれた瑞巌寺を訪ねてみました。
 瑞巌寺は臨済宗妙心寺派の禅寺で828年、慈覚大師により創建されたそうです。当初は天台宗、その後建長寺派、そして妙心寺派に改まったそうです。伊達政宗の菩提寺で、1609年に政宗が桃山様式の粋をつくし、5年の歳月を掛けて完成させたものだそうです。
 本堂は国宝のため、建物内部の撮影はできなかったのですが、襖絵や障壁画、欄間の彫刻などは素晴らしいの一言に尽きます。
 「ただサッカーを見に来たついで」ぐらいのつもりの松島観光でしたが、いいものを見ることができ、よかったと思います。仙台へ戻る前に五大堂をバックに記念撮影です。
 松島から直接利府に向かうという手もあったのですが、一旦仙台に戻り、牛タンを食べてから改めて東北本線の臨時列車で利府に向かいました。利府へは東北本線という名でありながらも、途中で北へ向かう本線から分かれて支線のような形で通じていました。20分ぐらいで到着できます。
 これで駅を降りて歩いてスタジアム入りできるのなら、おそらく巷でいわれるような悪評も立たないでしょう。しかし、残念ながらここからさらにバスに乗り換えなければなりません。私はかなり早めにスタジアム入りしたのでバス待ちも3分程度、バスも駅から15分ぐらいで着きましたが、一体ピーク時だとどれぐらい待つことになるのでしょうか。帰りも早めにバス待ちの列にならんだので10分程度、駅までの所要時間も20分ちょっとぐらいでしたが・・・。やはりアクセスはよくないです。
 仕入れた情報ですが、事前にぴあなどで電話予約することができて、仙台駅から直接スタジアム入りできる(それも観光バスで着席して行ける)完全予約制の直行バスがあるみたいで、それが一番時間的にもいいらしいです。
 新興住宅街の中に造られた、国体のための運動公園、というイメージですが、当たっているでしょうか。一応コンビニは公園の出口のところにありました。W杯の名残のゲート表示がまだ残されていました。
 残念ながら、サッカーを見るのには不向きな「陸上競技場」です。1層目の傾斜はゆるく、また、見ていただければわかると思いますが、メインもバックも屋根はほとんど役に立っていません。日本vsトルコ戦の時は観戦客のみなさんは、かなり大勢の人たちがびしょ濡れになって観戦したことでしょう。
 陸上のトラックがピッチとの距離を感じさせます。でも、アウェーチームにとってはこれが救いかもしれません。仙スタでなくてよかったと思えました。
 仙台が得点などしようものなら、こんな感じです。みじめな気持ちになります。改めて仙スタでなくてよかったと思います。
 私はアウェー側の「A指定席」にて観戦しましたが。そこもほとんど黄色い世界で肩身が狭かったです。でも、となりと前の席は水色だったので、安心して手をたたけました。仙台戦の場合は「ビジター自由席」を買った方が安心して見られそうです。(宮城スタジアムなら、すみの方なら座っていても大丈夫そう。)
 試合終了後、同じくバスとJRで仙台へ戻りました。駅ビルの「伊達の牛舌」で牛タンを食べながら生ビールなどいただき、一人で反省会です。
 上述したとおり、途中大宮と上野しか停まらない、はやて(こちらで言うところののぞみ号でしょう)と、浜松に停まるひかりを乗り継いで帰ってきました。実際3時間ちょっとぐらいで浜松まで帰ってこられたのではないでしょうか。
 選手にとっても疲れの残らない移動手段と見え、浜松まで全く同じ電車で帰ってきました。でも、掛ける言葉を考えてしまった・・・。