過去ログ June,2003

1 June,2003
「監督はジーコです。」
スタジアムに拍手と歓声がわく。
なるほど、「神様」の人気は絶大だ。
でも、前回の敵地での初勝利はある意味「幸運」によるものである。
かつて就任時、「彼ら(欧州4人組のことを言うのだろうか)に任せておけば
私は何も言うことはない」と、「神様」はのたまった、
「選手の自主性」という名のもとの「何でもあり」の采配に
本当に「ぼくたちの日本代表」を信じて任せていいのか、という不安が
試合を重ねるごとにふくらんできた。
そして今回、初めての生観戦、
親善試合とはいえ、宿敵であり負けられない韓国に、
神様はどんな戦略をもってのぞむのか・・・。
それが見たくて、台風崩れの雨の中、「National Stadium」に足を運んだ。
1年ぶりの青ユニ、1年ぶりの5万人の君が代・・・、
でも、「ぼくたちの日本代表」は大きく変わっていた。
攻撃の形が「作れない」のではない。
「攻撃の形がない」のではないか、とさえ思った。
そして理解に苦しむ選手起用。
「あの選手」がブレーキになっているのはどう見ても明らかなのに、
どうして使い続ける必要があったのだろうか?

試合後、あいさつに来た選手たちにゴール裏から、そしてバックスタンドから
今度は「わずかばかりの拍手」と「激しいブーイング」が返された。
当然だ。
このまま「ぼくたちの日本代表」を「神様」に任せていいのか、
少しずつ考えていった方がいいかもしれない。
でも、協会に「神様」を解任することができるだろうか。
そして、後任者を探すことができるだろうか。

キリンカップ全敗、コンフェデ一次リーグ敗退・・・、
考えたくはないが、そんなことになったら、本当に考えた方がよいだろう。
「神様」にノルマを課すべきだ。
「コンフェデ一次リーグ突破」という・・・。

あっぱれ、アルゼンチン代表!である。
スピーディーな展開、圧倒的なボール支配率、
前半のサビオラのゴールと
サビオラとのワンツーをダイレクトにネットに突き刺した
サネッティのゴール・・・鳥肌もので素晴らしかった。

でも、そんな試合をさせてしまったわが代表には、
もっとブーイングを浴びせてもよかったのではないか、と思った。
長居、というか関西は、阪神の影響かどうかはわからないが、
よいプレーには熱い拍手と声援を送る一方で
悪いプレーにははっきりとブーイングを送る、
そういう文化がある、という印象をもっていたが、
どうも今回は地元以外の観客も多いようで、そうではなかったようだ。
(実際標準語の人が多かった。)

さて、わが代表の選手・スタッフは
この試合の内容・結果をどう受けとめたのだろう。
日韓戦終了後は
「これでダメだ、ということにならないようにしたい。」
と指揮官である「神様」はのたまったが、
もっとダメになってしまったのではないか。
監督のインタビューを聞くと、
自分の責任も認める一方で、選手批判もしているようで
どうにも私には理解できないところがある。
また、選手へのインタビューからは
選手間で戦術に関する考え方が微妙に違う様子や、
監督の進め方に疑問を感じている様子や、
選手間に「よろしくない」雰囲気がある様子が伝わってきて、
コンフェデまで「チーム」として大丈夫か、と心配もしてしまう。

いよいよ俊輔や高原らが合流する。
どこまでやれるのだろうか・・・。
ただ、「期待しない」ことに慣れ始めている自分が悲しい。

11 June,2003

虚しい・・・。

19 June,2003

「職人なんだな・・・。」
話を聞いていて、そう感じた。

菅野フィジカルコーチの話を聞く機会があった。
フィジカルコーチという仕事とは何かといったところから、
なぜ志すようになったかということや、仕事へのやりがい、
そして健康にくらしていくためには、ということまで、
熱く語ってくださった。
その言葉の端々からは、
サッカーが好きだ、という思いや、強いプロ意識、
仕事を遂行するための高い知識や理論、
そしてみんなにスポーツを通じてもっと健康に、
幸せになってほしいという姿勢(まさにJリーグ百年構想)が
強く強く伝わってきた。
今までスタジアムで遠くから見て、HPを読んでいただけだったが、
話を聞き、ますます惹かれてしまった。
再開後、アントラーズをはじめとする上位陣との連戦に向け、
選手のスタミナづくり、調整・・・頼みます・・・。

驚いた。
何にかというと、日刊スポーツの見出しにである。
「神様」に対して「辞めろ」と一面の見出しにぶち上げたのだ。
私も、零細サイトではあるがこうしてサッカーの試合を見て
「コメントもどき」を載せたりしていると、
初めはいろいろ思うところがあるのだが、そのうち、
「私はそう思っても、人それぞれいろんな見方があるだろうし・・・。」
とか言って、だんだんトーンダウンし、ありきたりのものになりがちである。
大手スポーツ新聞の記事を読んでも、ピンと来ないことがあるのは、
ふだん選手やスタッフに直に接していたり、
協会との関係を今後も良好に保ちたいと思っていたりする記者さん、
そして選手と親交のある選手OBの評論家さんが
全てまるくおさめて記事にしてしまっているからかもしれない。
(違ったらゴメンなさい。)
「神様」が代表監督に就任してまもなく1年になるが、
どんなに結果が出なくても、世界のサッカーの「神様」であり、
Jリーグを通じて日本サッカーに多大な貢献をしてきたジーコの
進退を問うような記事は今まで見たことがない。
そういう意味では「タブーを破った」、ということだろう。
もちろん、監督だけの責任ではないことは確かで、
選出基準がはっきりしないまま「神様」を選んでしまったキャプテンはじめ
協会、そして何より選手にもあるだろうが、
これだけ方向性が見えないのでは、06年W杯は厳しいと私は思う。
これでしばらく真剣勝負の代表戦はない。
世間の話題はやがて五輪代表に移っていくだろうが、
五輪後のアジアカップまで「神様」の評価を待っていては、
その翌年初夏に始まるW杯予選には間に合わないのではないか?

とは言っても、協会に「神様」の解任なんてことはできないだろう。
せめて技術委員会などに次のことはお願いしたい。
「これまでの1年間を検証し、方向性を見直してください!」
24 June,2003

自分的には、代表の一次リーグ敗退をもって既に「磐田モード」に戻っていた。
だから、コンフェデから興味が失せたというわけではないが、
とても早寝した後、朝早起きして見るほどの気力はなかった。
そして関心は、中山のけがは間に合うだろうか、とか、
俊哉のユトレヒト行きはあれからどうなったのか、といった方に移っていた。
しかし、テレビのニュースに耳を疑った。
カメルーン代表MF、マルク・ビビアン・フォエ、逝去。
ショックだった。
マンチェスターCの試合は申し訳なく、ほとんど見ていないので
プレミアでの彼の活躍は知らないのだが、
一昨年のコンフェデレーションズカップ、新潟での日本との試合、
そして昨年のW杯エコパでのドイツ戦と、彼がプレーする姿を
2度、生で見た者としては、残念でならない。
心からお悔やみ申し上げます。
そして、原因を特定するのは難しいとは思うが、
将来に向けて、2度とこのような悲劇を起こさないためにも
こういう状況では試合を行うのは危険なのだというような
調査・研究を進めることをお願いしたい。
再開されるJのスタジアムでも、
試合開始前に黙祷が行われることと思う。
その時は私も心から彼の冥福を祈って黙祷したい。

29 June,2003

6月28日 日刊スポーツ